2007年03月18日

移動運用におけるCQの出し方

最近は多くの方がCWで移動運用をおこなっていますが、
中にはCQを出す側の配慮不足から来る、
無用な混乱が起きているケースを散見します

具体的には、交信の終わりを「TU EE」とすること
これは衛星通信においてはよろしくないのです

−…−

1)10数分しかないパスにおいて効率よく呼びに回れるよう、
誰がCQを出しているのか即座に判断できるようにしましょう

2)送信固定でCQを出す局を呼ぶ場合、
呼ぶ側は送信周波数・受信周波数の両方を動かさなければなりません
そのため、CQを出す局のダウンリンクが分からないと補正に困るんです
「TU EE」だけでは補正するヒマもありませんよねhi

3)CQを出す側も適宜受信周波数を補正する必要があります
その際の原則は「自局のループを基に補正する」こと
自局を呼ぶパイルアップで受信周波数を補正するのは、
正直好ましくありません

−…−

以上から言えることは、

CQを出す側は
1交信ごとにコールサインを送出しよう


交信終了と同時に自局のコールサインをアナウンスすることで、
以下のメリットがあります

A)呼ぶ側が「誰がCQを出しているのか」が即座に判断できる
B)呼ぶ側がコールサインを聞きながら送受周波数の補正ができる
C)CQを出す側も受信周波数を適切に補正できる

デメリットは送信する文字数が増える点でしょうけど、
それはメモリーキーヤーを使うなどして対処すべきと考えます
「手打ちで1QSO・1IDは面倒くさい」という方もおられるでしょうけど、
その自己中心的な考えは衛星を使うすべての方々にとって、
迷惑以外の何物でもないと思いますがHW?!

参考までに私の場合は以下のようにしています

CQ JI2ZLX/2 QTH 200101 K
(Pile UP)
JH5ZAB 599
599 TU
TU JI2ZLX/2 ←このTUは相手のTUに重ねて打つことが多いです
(Pile UP)

最近のSSB/CW衛星は不要な混乱から来るPWR競争により、
AGCがかかることも珍しくありません
これはCQを出す側が少し配慮することで防げると思います
衛星愛好家みんなが楽しめるようにしませんか??
posted by きこり@JH最大の難所 at 14:47 | 岐阜 ☁ | Comment(24) | TrackBack(1) | サテライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしい提言。
 どっかで周知する方法はないですかねえ。
Posted by PQM at 2007年03月18日 21:31
このごろSATでもご迷惑おかけしています。
皆さん、時間が短いから殺気立ってますよね。

CQの出し方はシチュエーション毎に違うので議論は尽きないところですが、特に時間の短い衛星はおっしゃるとおりですねえ。(過去の歴史や慣習は知りませんが…)

コンテストでも似たよなもんですね。私もすべてではないですがほぼ毎回自局コールサインを入れてると思います。結局急がば回れでしょうか。
Posted by 7N4WZI & JF2OZH/1 植松@職場 at 2007年03月19日 12:42
>PQM
JA7KJR甲斐谷さんのBBSに書けばてっとり早い?!(苦笑)
まあ、みんなで地道に周知するしかないのかも知れませんねhi

>7N4WZI&JF2OZH/1
確かに殺気立ってますよね――
佐渡市の時は凄かったhi

さて、CQの出し方etc.はケース・バイ・ケースなのでしょうけど、
衛星通信でも地上波通信でも「呼ばれてナンボ」なのは一緒なので、
どういう運用スタイルがよいのか考察することになると思うんです
加えて衛星通信ではドップラーシフトがありますからね

CQを出すってことは、お店で街行くお客さんに声をかけるようなもの
多くのお客さんに気分良く立ち寄ってもらうには、
どうすれば良いのか――だと思ってますよhi
Posted by きこり at 2007年03月19日 19:06
いつの間にかJH3YKVからTBが(汗)

JR6LDE三ヶ島さんのブログで知りましたが、
呼ばれている間は頑としてIDを出さない方がいるそうで――
そういうオペレートは非効率極まりないと思いますがねhi
Posted by きこり at 2007年03月22日 17:56
> 呼ばれている間は頑としてIDを出さない方がいるそうで――
パイルが苦手なんでしょう...

私の場合は,もっとパイルになれ〜って毎回IDしてるんですが...あんまりパイルにならない..._| ̄|○

最近,HFでIDが出るまで待っているのが憂鬱になりました.
やっぱり,今のところSatelliterの方がCQ出す側のOPのレベルは上ですね.
Posted by JI5RPT/7 at 2007年03月22日 18:59
今晩は。

>いつの間にかJH3YKVからTBが(汗)

お正月に、衛星についても取り上げて欲しいと仰ってましたので(笑)

#いや、記事中にも書きましたが、私自身がやっていないので、なかなか書きにくいと言うのもあるんですよね>低軌道衛星によるJCC/JCGハント。

また、何かありましたら教えて下さいませ。
Posted by 7J3AOZ(JH3YKV News Editor) at 2007年03月22日 19:53
>JI5RPT/7
IDを出さない方がパイルになると思うんだけどね(苦笑)

クラスタの発達がIDを出さない傾向に拍車をかけてるような気もするし、
短時間で多くの局をと気が急くばかりにIDを出さない方もいるみたいだけど、
毎回IDを出すことがコンスタントに呼ばれ続ける土壌となるし、
お客さん(=呼ぶ側)にも好感の持てる運用となると思うけどなぁ。。。

まっ、自分がシリアスに呼ぶ立場とならないと分からないのかも知れません
だからコンテスターがペディションで呼ばれる立場となると、
この辺りのツボを押さえているのでスマートな運用をしますよねhi

>7J3AOZ
これはこれは――お心遣い、ありがとうございます
自分のやっていない分野を取り上げるのは判断に迷うのでしょうけど、
今後も折を見て取り上げていただけると嬉しく思います
まあ、せっかくの機会ですので、まずは受信だけでもHW?!
FM衛星のAO-51ならモービルホイップでも聞こえてきますよhi
Posted by きこり at 2007年03月22日 20:42
このCQの出し方、大賛成です。
衛星でも最近のように、目白押しに並んでのQSOでは、特に必要性を感じます。

ぜひ広めたいものです。
WEBやBLOGに引用リンクを張りましょう。!
Posted by JA6PL at 2007年03月25日 19:28
>JA6PL
ご賛同、ありがとうございます
短時間で効率よくQSO数を重ねるには、
CQを出す側・呼びに回る側、双方に配慮が必要ですが、
主導権を握るべきはCQを出す側ですからねぇ――

みんなで楽しくサテライト通信が楽しめるよう、
私も他者を思いやる運用を心掛けたいものですhi
Posted by きこり at 2007年03月25日 20:47
誰が出とるかわからんときは、パイル参加はあっさり止めることにしています。IDに重ねて呼ぶ人もおるし、IDは殆ど出さないし。次があればあるし、なければそれも良しです。(仕方なしの強がり)
Posted by JH6KEE at 2007年03月26日 09:49
そーかなー
そのためにクラスターとかリアルタイムチャットがあるんぢゃないの?
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 20:35
>JH6KEE
IDに重ねて呼ぶ方、確かにいますねぇ――
私はそれが誰なのか分かってても取らないです
気持ちは分かるけど、フライングはやっぱアカンですよhi

>kimtaq
地上波と同じ感覚で捉えたらイケマセンぜhi
CQを出す局が1QSOごとにIDを打つという行為を通じて、
すべての運用局が送受周波数を適切に補正できる機会を得るし、
加えるならAntの方位角・仰角をも適切に補正できるので、
状況に応じた適切な出力での運用もしやすくなるというもの
衛星通信でのオーバーパワーはすべての運用局にとって迷惑以外の何物でもないから、
この観点からも1QSOごとにIDを出すのは遵守すべきマナーだと思いますよ

なお、ここで言うオーバーパワーは――
「必要以上の実行輻射電力」を意味するものと思って下さいhi
Posted by きこり at 2007年03月26日 21:06
クラスターってのは地上波を差してますよ
送受周波数の補正ってID中ぢゃなくてもいいんぢゃないの?
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 21:43
>kimtaq
地上波の話は本論から逸れるのでスルー
送受周波数の補正は呼ぶ側の話なのでこれもスルー

ただCQを出す側が受信周波数を補正する話を指すのであれば、
自局のループを元に常に補正するのがFBなのは言うまでもないですね

ただCQを出す局のループを頼りにみんな呼んでくるのが衛星通信だし、
交信中にログをつけてキーを叩いてetcetc.は大変だという声もあるので、
ならば1QSOごとに自局のIDを出し、
そのIDを元に受信周波数を補正しましょと言ってるだけですよ(笑)
Posted by きこり at 2007年03月26日 22:16
相手の識別信号5NNのときにはループとれないの?
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 22:20
>kimtaq
やっぱり呼ぶ側の話をしてるのですねぇ
というわけで、話の本論から逸れるのでオシマイhi
Posted by きこり at 2007年03月26日 22:33
いいぇ呼ばれる側ですよ
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 22:35
>kimtaq
|ただCQを出す側が受信周波数を補正する話を指すのであれば、
|自局のループを元に常に補正するのがFBなのは言うまでもないですね
――と既に書いてあるのでよろしくですhi
Posted by きこり at 2007年03月26日 22:42
相手の識別信号5NNで自局のループがとれていればいいんでしょ
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 22:48
うむ、これでは間違えるな
「相手の識別信号5NN」で自局のループがとれていればいいんでしょ
だな
Posted by kimtaq at 2007年03月26日 22:54
匿名希望で失礼します。
サテライト運用に興味があり、運用各局のレポを見て勉強しております。

ここで一つ質問といいますか、疑問があります。
それは「答え合わせ」とはどういった意味なのでしょうか?
Posted by 匿名希望 at 2007年04月08日 19:15
>匿名希望
ひとことで言えば「交信リストの公開」ですね
具体的にはこんな感じ(昨年12月の佐渡市移動での実例)http://yamaoku.seesaa.net/article/30449150.html

公開をリアルタイムでおこない、それをチェックすることで、
重複QSOの軽減、ひいては衛星に優しい運用の手助けとなります
限られた時間内でみんなが効率よく運用するためのひとつの知恵なのでしょう
まあ、DXペディション局のログサーチの簡易版とも言えましょうhi
Posted by きこり at 2007年04月08日 22:58
きこりさん、

ありがとうございます。
確かにDXシーンではログサーチというものが有効なツールとなっていますね。

>重複QSOの軽減、ひいては衛星に優しい運用の手助けとなります

目からうろこといいますか、そういう意味があったのですね。ひとつ勉強になりました。
Posted by 匿名希望 at 2007年04月09日 20:23
そーかなー
次のパスでは運用場所を移しているし
ログサーチは帰宅してからでしょ
Posted by kimtaq at 2007年04月11日 00:22
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