2016年05月16日

狙うは管内トップの座

ある方曰く、このコンテストで長野県から勝つには新潟県境に近いロケーションの良い場所から出ること、新潟県から勝つには佐渡島へ渡り山の上から出ること――だそうで。ただ管外局とのQSOも認められるようになって約10年が経過。従来の発想とは異なるアプローチで参加したらどうなるのか、自ら実証するために現地乗り込みしてみました

第53回JA0-VHFコンテスト
管外局個人マルチバンド(SGSM)
長野県木曽郡王滝村(JCG#09004・PM85su)
★結果★
Band QSOs(CW-Q) Pts Mult
50MHz 68( 23), 67x 35
144MHz 116( 40), 114x 36
430MHz 76( 7), 76x 23
1200MHz 8( 2), 8x 5
2400MHz 2( 0), 2x 2
合計 270( 72), 267x 101
総得点 = 26,967

★タイムチャート★
Band | 21 22 23 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11| Sum
-------+------------------------------------------------------------+----
50MHz| 10 9 10 1 16 22 | 68
144MHz| 2 14 19 2 7 3 12 15 7 11 13 7 4| 116
430MHz| 9 11 7 2 3 2 1 2 22 2 2 13| 76
1200MHz| 3 1 2 2| 8
2400MHz| 1 1| 2
-------+------------------------------------------------------------+----
Total | 24 34 27 16 11 3 0 0 15 16 25 33 15 31 20| 270

★マルチマップ★
※1〜9局は実数、10局は「0」、11局〜36局は「A」〜「Z」、37局以上は「+」で表記
|11111111111111| | | | | | | | | |
|00000000011111|000000|00|11111111|1122|222222|223|33333|3333|44444444|445
Band |12345678901234|234567|89|01234567|8901|234567|890|12345|6789|01234567|890
-------+--------------+------+--+--------+----+------+---+-----+----+--------+---
50MHz| | 1 |7D|72331 2 | 233|3 1335| 1 |2 | 1 |1 |
144MHz| | |8P|5 91 3 | 766|833A3D| |2 | 1 | |
430MHz| | |1D|3 62 1 | 4G8|3334 6| | 1| | |
1200MHz| | | 2| | 23| 1| | | | |
2400MHz| | | 1| | | 1| | | | |
★ハイライト★
○目標の300局はクリアできなかったものの、管内局個人マルチバンドのレコード(2006年・JH0MUC/0、230x104=23920)は塗り替えることができた
○430MHzの18エレ(Comet・CYA-718E)が最近動作不良だったため、改めて点検すると、給電部のハンダ付けが浮いていた。手持ちの4枚すべてでハンダ付けをやり直して復活。今回は2枚だけ使ったが、いい仕事をしてくれた
前回のコンテストでPTT制御をキャリアコントロールから強制スタンバイに改めた2400/5600MHzのトランスバーター。今回も快調に動作
○UHF帯で思わぬ遠距離通信。相手は、430MHz-FMでJA1XCZ/4(35)、2400MHz-FMでJR3KQJ/3(27)。どちらもQSBの山で一瞬浮いたタイミングでQSOできた

★ローライト★
○50MHzのマストが手違いにより4段までしか伸ばせず
○GP(X-7000)で144/430MHzを送信するとパワーが出ない不具合(1200MHzは問題なし)。今年の東海QSOの時ほど酷くはなかったものの、稼ぎ頭の144MHzで使えず。撤収時に何気なく2段目の内部を引き出してみたところ、緩衝材として使われているスポンジのほとんどが、水分をたっぷり含んでいた。これが原因?! 取りあえず乾かしてみようhi
○144〜5600MHzのアンテナを1本のマストに設営し、手回しとしたところ、144MHzの8エレ2列や430MHzの18エレ2列が意外と半値角が狭く、ここぞという方角へ振っても勝手に違う方向へ――
○1200MHzの26エレ2列はマキ電機製。クロスマウント(みたいな金具)の造りがチャチで、マストにしっかり取り付けると金具がちょいと変形し、気持ち(数度?)上向きになってしまった。マストへの取り付け方法を根本的に変えねば
○1200MHzの26エレ2列のクロスマウントに使われていたUボルト、ネジ山が足りずφ38mmのマストが挟めなかった。ナガラの純正クロスマウント(TA-10-15Jr用)のUボルトと交換
○JA2YNP/b(公称:5756.80MHz、実際は5757.02MHz付近)がカスカスでしか聞こえない。案の定、5600MHzは相手局に恵まれず、ボウズに終わる
○最初、ノートPCの1台がモバイルWiFiルーターを認識せず。PC側の設定をあれこれいじくり回している内に認識するようになった
○ノートPCで再生したWAVファイルをRigへ入力する時、Rigによって音声の出力レベルを変えなければならず、時に過大入力となっていたことがしばしば。同じRigでもバンドが変わるとレベルを変えねばならないケースもあるので、これはやむを得ないのですが。アクセサリー端子ではなくマイク端子から入力した方がいいのかも
○N1MMの誤操作(?)により、変な周波数で電波を出していた
○同時開催の関西VHFとオール山口・V/U/SHF部門に対応したsecファイルを作ったため、スコアがリアルタイムで把握できず
○2台用意したノートPCの1台が、熱暴走により起動不能に陥る。最近、妙に内部温度が上がるようになったところへ、PCカード部が結構熱を持ったのに加え、車外から差し込む直射日光に晒されていたのが原因か。充分に冷えた頃合いを見て電源を入れると正常に起動

P1100752_R.jpg
今回のアンテナ全景

P1100747_R.jpg
50MHzの6エレ(ローテーター付き)

P1100749_R.jpg
144MHzの8エレ2列
430MHzの18エレ2列
1200MHzの26エレ2列(ちょっと上向きなのはご愛敬hi)
2400MHzの29エレループ

P1100748_R.jpg
144〜1200MHzのGP(X-7000)
内部が実は水浸しに近い状況なのをコンテスト終了後に知る

P1100750_R.jpg
5600MHzの15エレループ
残念ながら5600MHzではQSOできず

P1100751_R.jpg
TRV直下に同軸スイッチを付けて切り替え

★N1MMplus関連★
■IC-910がコントロールできる、と知ったことが端緒
■PHとしてロギングすると自動的にSSBとされるため(PHをクリックするとIC-910ではUSBになる)、特にSSBとFMが混在する144MHzでは、Rigからモード情報を引っ張ってくることでヒューマンエラーの抑止を図る狙い。よってバンド/モードの切換は、Rig側でおこなってN1MMに反映
■RigコントロールさせているRigが1台でもあると、そのRigがカバーしていないバンドはロギングできなくなるため、Rigコントロールのあり/なしでPCを分ける必要性が発生
■そのため初めて複数台(今回は2台)でネットワークを組む
■メインPCは144〜1200MHz用(IC-910D)でRigコントロールあり。サブPCは50MHz用(FT-655)&2400/5600MHz用(IC-1201)でRigコントロールなし
■Window ⇒ Network Status で窓を開くと、勝手にネットワークを組む仕組みだった
■スター型のzLogと異なり、N1MMはフルコネクト型のネットワークを組むみたい。zLogで散々悩まされてきた事象(ZServerがこけると皆こける、ログのマージが上手く行かないetc.)から完全に解放された気分hi
■ネットワークを組むとtelnet接続していたノード局に接続できなくなった。telnet接続や各PCの時刻を統括するPCを設定していなかったため。1台のPCをMasterとして設定する(Masterのチェックボックスにチェックを入れる)ことでOK
■チャット機能で試しに日本語(全角文字)を送出した瞬間、N1MM自体が落ちた(汗
■ノートPCの画面上の制約もあり(どちらもVGA)、メインPCとサブPCで表示させる窓を少し変えてみた。特に問題なし
■コントロール下にあるIC-910で、SUBキーを押してサブVFOを操作すると、その情報がN1MMへ反映される。そのことに気付くまで誤操作しまくり。気付いてからはN1MMの画面を見ながらサブVFOの操作をするように心掛けたが、裏ワッチの操作がN1MMに反映されてしまうのは正直やりにくい
■日曜の朝8時前、メインPCが熱暴走によりダウン。その後は終了までサブPCですべてロギング
■帰宅後、2台のPCを立ち上げN1MMを起動させると、勝手にログをマージ。こりゃ便利だhi

■結論(1):JA0-VHFではN1MMがバッチリ使えるけど、次回からはAuCS(+ボイスメモリー代わりのN1MM)にしますhi
■結論(2):N1MMplusのM/M機能はなかなか秀逸(だと今のところは実感)。国内コンテストのM/M環境からzLogが姿を消す日は、そう遠くない気がします
■課題:50MHzでRigコントロールに対応するRigを調達しなければ――。FT-655とDX-70G改ではアカンがな(とほほ)

P1100754_R.jpg
シャックの様子
パソコン類を片付けた後に慌てて撮りましたhi

★同時開催のコンテスト★
▼関西VHF:電話はともかく、電信では「JA0-VHFのナンバーを送ってよ」と打ったところで理解してもらえる確率は極めて低そうなので、電信では一切呼びに回らず、でも09目当てに呼んできた3エリアの局に対しては、JA0-VHFと関西VHFの両方のナンバーを送出。結果は、こちらの意図を理解した局は、やはり少数(10局に1局ぐらいの割合かな?)。中には気を利かしたのか、JA0-VHFのナンバーしか打ってこない局もたま〜〜〜にいましたが、それでは当方が関西VHFにログを出せないので、これはこれで困ってしまいましたhi

管外局シングルOP電信電話マルチバンド(FM)
長野県木曽郡王滝村(JCG#09004・PM85su)
★結果★
Band QSOs(CW-Q) Pts Mult
50MHz 15( 7), 15x 14
144MHz 41( 23), 41x 37
430MHz 20( 3), 20x 16
1200MHz 1( 0), 1x 1
2400MHz 1( 0), 1x 1
合計 78( 33), 78x 69
総得点 = 5,382
▼オール山口・V/U/SHF部門:電信で呼んで来た4エリアの局に対し、関西VHF同様に対処するも、そもそも自分が管内局だという認識がおしなべてゼロの様子(コンテストの存在自体を知らないのだと思われる)。途中からはJA0-VHFのナンバーのみを送るようにしました。コンテストの開催意義そのものが問われる状況だと思います。ログ提出は見送り
▼津軽海峡:管内局はまったく聞こえませんでしたので、ノーコメントhi

P1100755_R.jpg
屋根の上はこんな感じhi

P1100756_R.jpg
さて、帰ろう――

お相手いただいた方々、ありがとうございました
次のコンテストでもよろしくお願い申し上げます
posted by きこり@JH最大の難所 at 20:05 | 岐阜 ☀ | Comment(7) | TrackBack(0) | コンテスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
430の方がクリアに来ていました。もっともこちらの信号が届いていなくてはね。(苦笑)
初の3エリアからのVUHF、色々勉強になりました。
Posted by JN1BBO at 2016年05月16日 22:14
こんにちは! JA0VHFコンテストでのQSOありがとうございました。50MHzの信号は非常に強力でした。
このコンテストでの南信州からのQRVは新潟県の大票田に届かないというのが常識でした。 
この常識に果敢に挑戦され克服された貴局に敬意を表します。
Posted by JA0CRI at 2016年05月17日 07:22
>JN1BBO
144CWでのQSO、ありがとうございました〜
430CWでは大変失礼しました――430MHzの方がよく聞こえていたのには、こちらのアンテナの波長に対する地上高の違いや、実は3エリア方面には立っている木々で減衰を受けたとか、いろんな原因が考えられそうです

>JA0CRI
50SSBでのQSO、ありがとうございました〜
マルチマップをご覧いただくと一目瞭然ですが、ロケが良いとは言え新潟県はやはり遠かったです。430FMでは楽勝でQSOできると踏んでいたJR0YJO/0がダメでしたし(新潟県でQSOできたのはJA0KEKのみ)。この辺りをどう改善するのかが、更なるスコアアップの鍵となりそうですので、既に来年へ向けてあれこれ妄想しまくっていますhi
Posted by きこり@JH最大の難所 at 2016年05月17日 18:26
(記憶は曖昧ですが)10年前は飯山市から出た奇がしますが信越以外のエリアの局は1割にも満たなかったし電信は有史以来初めてできた!っていうレベルでした
昔よりは管外からの認知度があがってきているのかもしれません

ゴンドラ駅の終点からなら新潟の平野部はムリかもしれませんが移動している局とは交信できるでしょう
ただし西方向と濃尾平野へのアドバンテージが少なくなるので痛しかゆしになると思います
(昨年の6m&downのC144いっちばーんの人はそこから出ていたと思いますが電話FMに軸足を置くとなると難しいところです)
Posted by kimtaq at 2016年05月17日 20:58
50/144での交信ありがとうございました。
こちらの144はGPのため、苦しかったと思いますが、交信できてほっとしました。
Posted by FFH at 2016年05月19日 08:46
>kimtaq
あの辺りは、北は良いけど西はダメとか、逆に西は無敵だけど北が全然飛ばないとか、1ヶ所でそれなりに満足できる場所がないですね。ただNTT中継局が知らない間に更地となっていたので、あの場所に常設のタワーを建てれば西も北も相当飛ぶとは思うのですが――建設許可(というか占有許可)は下りないだろうなぁ。もし下りるんだったら自宅に建てる予定のKT-18Rをそこへ建ててもよいけどhi

>FFH
50SSBと144FMでのQSO、ありがとうございました〜
144FMは苦しかったという印象はなかったですね。むしろ、この強さなら430MHzもいけるかな、って感じでしたhi


Posted by きこり@JH最大の難所 at 2016年05月19日 21:13
土地の持ち主は国だと思う
Posted by kimtaq at 2016年05月19日 23:29
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