2022年12月20日

SatPC32ISSでの周波数飛び対策

JE1CVL久下さんのブログ記事に対策法が書かれていたので、私も試してみました。

原典は、SatPC32フォルダの中にある「SATPCISS.txt」です。

【原文】
With the ICOM IC-821H a hardware handshaking must be installed to suspend computer control while the radio is transmitting (with the IC-910H the PTT status can be checked via a software command). Frequency changes are basically possible with Icom radios while they are transmitting, but errors will occur. In Split mode the frequencies of VFO A and VFO B will be switched when the program updates the frequencies while the radio is in TX mode.

Unfortunately there is no way to check via the software whether the IC-821H is in transmit mode. Therefore a hardware-handshaking is needed which prevents output to the radio while it is transmitting. On the radio side pin 3 of the ACC(1) socket can be used for this purpose. The voltage at this pin is approximately + 3.5 V while the radio is in RX mode. In TX mode the voltage at pin 3 is pulled to 0.

Pin 3 of the ACC(1) socket has to be connected with the CTS pin of the RS232 cable connector at the PC side (pin 8 of the 9-pin, pin 5 of the 25-pin RS232 connector). The sub folder "Icom" of the SatPC32 program folder contains a schematic of that connection (821_Acc_Com.JPG).

When the radio pulls down the voltage at pin 3 to 0, it signals the PC not to send data. As soon as the radio is back in RX mode the frequencies are updated by the program.

Attention! There must be NO bridge between pins 7 and 8 of the 9-pin (5 and 4 of the 25-pin) cable connector at the PC side! Otherwise the voltage at Pin 8(rsp. Pin 5) and therefore also at Pin 3 of the ACC1 socket will be pulled down and the radio will immediately be switched into transmit mode. The sketches in the Icom sub folder provide this bridge. If it is built in, please, remove it. The 25-pin Connector at the ICOM CT-17 also provides a bridge between pins 4 and 5 and other pins. The CTS pin of the cable connector at the PC side, however, must be connected only to Pin 3 of the ACC1 socket.

For the pin numbering of the ACC1 socket look at the Icom manuals. The following sketch shows the pin numbering of the 9-pin cable connector at the PC side, seen from the solder side:
1 2 3 4 5
6 7 8 9
If somebody doesn't want this effort, he may store the downlink frequency and TX offsets in memory channels.

−…−

【和訳】Deep-Lでの機械翻訳を元にきこりが意訳…おかしなところがあればご指摘を)
ICOM社・IC-821では、無線機の送信中にコンピュータ制御を中断するべく、ハードウェアによるハンドシェイクを導入する必要があります(IC-910ではソフトウェアコマンドでPTT状態を確認することができます)。ICOM社の無線機は、基本的に送信中の周波数変更が可能ですが、エラーが発生します。スプリットモードでは、無線機が送信中の時にプログラムが周波数を更新すると、VFO-AとVFO-Bの周波数が切り替わります。

残念ながら、IC-821が送信中かどうかをソフトウェアにて確認する方法はありません。そのため、送信中は無線機に出力しないよう、ハードウェアによるハンドシェイクが必要です。無線機側では、ACC(1)ソケットの3番ピンをこの目的に使用することができます。無線機が受信中の時、このピンの電圧は約+3.5Vです。送信中は、3番ピンの電圧は0Vにプルダウンされます(【訳者注】IC-910は取扱説明書によると-0.5V〜+0.8V)。

ACC(1)ソケットの3ピンは、パソコン側のRS232ケーブルコネクタのCTSピン(D-sub9ピンなら8番ピン、同25ピンなら5番ピン)に接続する必要があります。SatPC32のプログラムフォルダのサブフォルダ "Icom"にその接続の回路図があります(821_Acc_Com.JPG)。

無線機が3番ピンの電圧を0Vにプルダウンすると、パソコンにデータを送信しないよう信号を送ります。無線機が受信に戻るとすぐ、周波数はプログラムによって更新されます。

【!注意!】
パソコン側のCOMポート…D-sub9ピンなら7番ピンと8番ピン(D-sub25ピンなら5番ピンと4番ピン)の間にブリッジがあってはいけません! さもないと8番ピン(5番ピン)の電圧、つまりACC(1)ソケットの3番ピンの電圧がプルダウンし、無線機は直ちに送信モードへ切り替わります。Icomサブフォルダにある回路図には、このブリッジが組み込まれています。もし、組み込まれている場合は、取り除いてください。ICOM・CT-17の25ピンコネクタも4・5番ピンと他のピンの間にブリッジが設けられています。ただし、パソコン側のケーブルコネクタのCTSピンは、ACC(1)ソケットの3番ピンのみに接続する必要があります。

ACC(1)ソケットのピン番号は、アイコム社のマニュアルを参照してください。下図は、パソコン側の9ピンケーブルコネクタのピン番号をハンダ面から見たものです。
 1 2 3 4 5
6 7 8 9
もしこの作業を望まないなら、ダウンリンク周波数とTXオフセットをメモリチャンネルに保存することができますよ。

−…−

当方は、JN2AMD山内さんの回路をそのままパクった自作CI-V I/Fを使っているため、こんな感じに仕立ててみました。1N4004は、1S1588で代用しています。

クリップボード01.jpg

さっそく我がIC-910Dで検証してみたかったのですが、あいにくIO-117が300baudモードとなり、しかもデジピータがOFF! JA上空へ来る直前までデジピータがONだっただけに、とっても残念…。検証結果は、後日ここへ追記しますhi。

−…−

【12月21日・追記】

MI0ILE JamesさんからTwitterにて「これで十分です。テスト済みで完璧に動作します」というリプライとともに、この画像が示されました。これならややこしい配線をしなくても済みますね! Many thanks, James!!
クリップボード03.jpg

またJamesさんは、このようにもツイートなさっています。

−…−

【12月21日・追記】

朝6時のパスで検証中ですが(RigはIC-910D)、改善された気配はありません……(涙)。
マルツオンラインに「カーボン抵抗 1/4W 820Ω(100本入)」を発注しました。
posted by きこり@JH最大の難所 at 23:46 | 岐阜 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | サテライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
JE3HCZ局ともIO-117の件で問い合わせしていましたが、SatPC32では同一バンド送受信はNGのようでデジピータ用に特化したSatPC32ISSを用いればIO-117にも使えることで試してみましたが送受信ともにドップラー制御はできるようですね。掲題の周波数飛びはIC-910等の問題でしょうか?IC-9700でも起きる現象でしょうか?送信時に周波数を変えた時にのみ起きるのでしょうか?補正インターバルを10Hzにして様子を見ましたが送信中は周波数変化はしないようです。送信を止めると最新周波数になるようです。PKTの場合は送信時間は短いので問題ないように思いますが・・・。
Posted by JF1PTU 大澤 at 2022年12月28日 19:53
>JF1PTU
私は910ユーザーなので、私自身の手で試していない9700に関するコメントは控えたいと思います

補正インターバルの件は、VFOが切り替わった瞬間のRigの周波数に設定値を超えるズレが生じている時、周波数を補正する仕組みですので、送信中に周波数を変えるようなことはしません(正確に書くとVFO切替=送信開始と同時に周波数を変えるかどうかを判断して設定値を超えていれば即座に変更)。なおGreenCubeにはAFC機能があり、100〜200Hz程度のアップリンク周波数のズレは許容範囲なので、私は60Hzに設定しています
Posted by きこり@JH最大の難所 at 2022年12月29日 00:42
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