2024年01月10日

GCTerminal 1.0.0.85

OZ9AAR CarstenさんによるGreenCube Terminalが1.0.0.85にアップデートされました。このアップデートはいろんな機能が盛り込まれているので、主な機能を簡単に解説します。


(1)UHM(yoU Heard Me)機能の搭載

この機能は、GreenCubedeでのQSOを少しでも楽しいものにするために搭載されました。この機能を利活用することで、いわゆる「無駄呼び」することがなくなります。

この機能をONにした上でA局がB局を呼び出し、そのメッセージがB局で受信された時、次のイベントが発生します。双方ともGCTerminalの1.0.0.85以降を使っていることが前提条件です。

- B局のCallingMe窓にA局のコールサインが載る
- Traffic窓にあるデジピートされたA局のメッセージにおいて、B局のコールサインの右にチェックが付く(注:デジピートされた自局のメッセージが受信できなければチェックも付きません)

※不幸にしてB局がメッセージを受信できなかった時は、交通標識である通行禁止のマーク(以下「ストップマーク」)が付きます

チェックが付けば、後はB局からの応答を待てば良いのです。しかし、このチェックが付いたからと言って、QSOが完了したとみなすのは誤り。UHM機能は、あくまで相手局へメッセージが届いた(or届かなかった)ことを知らせるだけに過ぎません。後述の73を送受し合うことでQSOを完了させて下さい。

なおその後も、A局のメッセージがB局へ届けば、A局が受信した当該メッセージ中のTo欄にあるB局のコールサインの右にチェックが付きます。また届かなければ、ストップマークが付くでしょう。

さて。この機能をONにするには、少なくとも以下の3つの設定を有効にして下さい。後は好みで。この他、インターネットの常時接続が必須です。

Setting>Generalタブ
- 「Enable forwarding of statistics to server」にチェックを入れる
Setting>UHMタブ
- 「Enable UHM」にチェックを入れる
- 「Ask Server for UHM on digipeat」にチェックを入れる

UHM機能に関するKI0KB Jeffさんの解説記事はこちら


(2)保安官Wyatt氏のポップアップが無効化できる

Setting窓>Generalタブ
- 「Enable Sheriff Wyatt」のチェックを外す

しかし連続送信の抑制機能は残ります。


(3)QSO完了のメッセージとQSO時刻

CallingMe窓の「S73」「R73」の各カラムに反映される文字列は、「73」「LOTW」の2つとなりました(RRは誤認するケースがあるため対応文字列から除外)。そのため、例えば以下のようなやり取りが望ましいと考えます。RRやTUは使えないと思ったほうがいいかも知れません。

@ JK2XXK > CQ PM85rl
A JH5ZAB > JK2XXK PM63
B JK2XXK > JH5ZAB R PM85 73
C JH5ZAB > JK2XXK 73

なおRover局やDXPedition局がCQを出す場合、BのメッセージをCQを出す局自身が受信できた時点で相手局をログに載せるため、Cを不要とするケースがあります。JA9KRO/MM局やUT1FG/MM局もCは不要(私を含め、多くのRoverもまた不要としています)。UHM機能を使ってもなお混み合っている時、相手局によってはCを送らない選択も時には必要となるかも知れません。

さて。CQを出す側からすると、Bのメッセージ中に含まれる相手局のコールサインにチェックが付けば、それで充分。後はログへ載せるだけ。またストップマークが付けば、Bのメッセージを再び送るだけです。こうやってCQを出す側が応答しようとする時、呼ぶ側がいたずらに何度も呼び出すと、CQを出す側がなかなかアップリンクできなくなりますし(特にRover局やDXPedition局は設備的に小さいことが多くアップリンクに困難の伴うことが多い)、仮に自分へ応答があっても、例えばGCDigipeaterによる連続送信(俗に言う「連打」)などでその応答を自らの手で潰すことにも繋がりかねません(そうでなくても軌道計算ソフトによるVFO切替や偏波面の不一致などによりデコードできないことはよくあること)。UHM機能は、昨今のトラフィック増大を少しでも減らすことで多くのQSOが成立する一助となるようにとの願いを込めて搭載されたものですから、その仕組みを多少なりとも理解し賢く使うことが、GreenCube愛好者全体の幸福度向上へ繋がるものと思っています。

1.0.0.85からは、相手から73(またはLOTW)を受け取った時刻をQSO時刻としてQSOデータを送るようになりました。


(4)自局と相手局のやり取りを一括コピー

Traffic窓内で、選択された行のFrom欄かTo欄のどちらかに自局コールサインがあり、かつ、もう片方に別の局のコールサインがあるケースにおいて、右クリックして現れるメニューにて「Copy all lines with my callsign and ****** to clipboard」(******には別の局のコールサインが入る)を選ぶと、その別の局とのやり取りをすべてクリップボードにコピーします。なおUHM機能で付加されたチェックは、テキストエディタへ貼り付けると?に変換されます。

−…−

この他にもいろんな機能が盛り込まれています。また1.0.0.84から搭載された、受信したテレメトリをSatNOGSへ自動的に送る機能は、ぜひとも有効にしていただきたいところです。

今後、Rover局やDXPedition局はUHM機能を利活用してオペレートするでしょうから、呼ぶ側もそれに備えたいものですね。

【2024-01-12 追記】
GCDigiからGCTerminalへの乗り換えを考えている方は、以下の記事も併せてご覧ください。下の方にログのコンバート方法と、そのためのツール(要Excel2007以降)を紹介しています
Greencube Terminalの使い方
posted by きこり@JH最大の難所 at 21:37 | 岐阜 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サテライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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