2025年08月17日

RS-44・FT4のパイルをMSHVのMultiAnswering運用で捌く

本記事は、既にRS-44でFT4の運用経験がある方へ向けて書いています。

作者のLZ2HV Christo氏による以下のコメントが公表されています。これにご留意の上、運用してください
It is recommended that you use only one TX Slot if you are not a DX expedition.

(1) 参考1を見ながら運用に必要な設定を行う

【参考1】
MSHVでFT8運用するために最低限必要な設定

- 運用モードの設定
1-1 Mode > [FT4]

- 自局情報の設定
1-2-1 Options > Macros > Macrosタブ > MY CALL は自局コールサイン ※1
1-2-2 Options > Macros > Macrosタブ > GRID LOCATOR は自局グリッドスクエア ※2
1-2-3 Options > Macros > Macrosタブ > Macros By Region は [Region 3]
1-2-4 Options > Macros > Macrosタブ > GEN MESSAGE をクリック
※1 移動運用では [/P] または [/R] のどちらか、または付加しない (/P・/R以外を付加するとMultiAnswering運用ができない)
※2 6桁を推奨

- 自動デコードの設定
1-3 Options > "Monitor ON At Startup" は [チェックあり]

- DFの連動/非連動の設定
1-4 メイン画面下部の "LTR" は [チェックあり/なし] どちらでも可

- CPUスレッド数の設定
1-5 Decode > FT Threads は使用PCのCPUに合わせる

- サウンドカードの設定
1-6-1 Options > Sound Settings > Output Devices は使用PCのサウンドカードを選択
1-6-2 Options > Sound Settings > Input Devices は使用PCのサウンドカードを選択

- 無線機との通信環境の設定
1-7-1 Options > Interface Control > Port はRig制御させているシリアルポートを選択
1-7-2 Options > Interface Control > Baud Rate は1-7-1で指定したシリアルポートの通信速度を選択 ※3
1-7-3 Options > Interface Control > PTT Method は [PTT via CAT COMMAND]
1-7-4 Options > Interface Control > Rigは 使用Rigの名称を選択 ※4
1-7-5 Options > Interface Control > START PTT TEST をクリックし、PTTのON/OFFを確認
※3 Rig側の設定 (通信速度) を確認の上で設定
※4 N1MM+と連携させるときは [DX Lab Suite Commander]

- 入出力レベルの調整
1-8-1 Rig⇒PCの入力レベルを0dB程度になるように調整
1-8-2 Rigの出力を100%に設定
1-8-3 TUNE ボタンをクリックして送信する
1-8-4 PC⇒Rigの出力レベルをALCが振れるか振れないかというレベルになるよう調整

- ネットワーク関連の設定
1-9 Options > Network Configuration > Network Configurationタブ > Page 1タブ > PSK Reporter Settings > Enable PSK Reporter Spotting は [チェックなし] ※5
※5 サテライト通信におけるデジタル通信では、地上波との混同を防ぐため PSK Reporter へスポットを上げないのがマナーとされる

- ロギングの設定
1-10-1 Options > Log Options > Log Automatically QSO MSK FT Q65 は [チェックあり]
1-10-2 Options > Log Options > Turn Auto Comments Off は [チェックなし]
1-10-3 Options > Log Options > Auto Logging info Settings > Enable Auto Logging info は [チェックあり]
1-10-4 Options > Log Options > Auto Logging info Settings > Propagation は [Satellite]
1-10-5 Options > Log Options > Auto Logging info Settings > Satellite は [Radio Sputnik 44(DOSAAF-85)]
1-10-6 Options > Log Options > Auto Logging info Settings > Sat Mode は [JD] または [VU]
1-10-6 Options > Log Options > Auto Logging info Settings > RX Frequency in MHz は [435.612] ※6
※6 SatPC32・Doppler.SQFの設定と合わせると良い

- UDPブロードキャストの設定 (必要な方のみ・以下はN1MM+との連携例を紹介 ※7)
1-11-1 Options > Network Configuration > Network Configurationタブ > Page 1タブ > UDP Broadcast Settings > Enable Logged QSO ADIF は [チェックあり]
1-11-2 Options > Network Configuration > Network Configurationタブ > Page 1タブ > UDP Broadcast Settings > Server は [127.0.0.1] ※8
1-11-3 Options > Network Configuration > Network Configurationタブ > Page 1タブ > UDP Broadcast Settings > Port は [2237] ※8
1-11-4 Options > Network Configuration > Network Configurationタブ > Page 1タブ > UDP Broadcast Settings > Status で接続を確認
※7 受取側ソフトに応じた設定が必要
※8 N1MM+側の設定と合わせること


(2) 参考2を見ながらMultiAnswering運用に必要な設定を行う

【参考2】
POTAアクティベーション向けにMSHVを設定する

- Multi Answeringの設定 - 1
2-1 Options > Other Options > Multi Answering Auto Seq Protocol DXpedition FT Q65 は [チェックあり]

- Multi Answeringの設定 - 2 (メイン画面右下・Settingsタブ内)
2-2-1 Queue Limit は [1] 〜 [3] の間 [0] ※ウィンドウのない局を延々と呼ぶのを防ぐため
2-2-2 TX Slots は [1] か [2] ※実際のシステムで試験運用をして値を決めると良い
2-2-3 Max Period は [2] か [3] [1] ※応答のない局へ延々と応答しつづけるのを防ぐため
2-2-4 SM は [チェックあり]
2-2-5 CQ on free slot は、TX Slotsを2以上とした場合は [チェックあり]


(3) 実際の運用

- SatPC32などの軌道計算ソフトによる衛星固定 (Full Doppler) 運用が必須
- MSHVは同時起動OKなので、受信専用MSHVを別途立ち上げておく
- 送受信周波数の関係:「足して103」とすると自局ループが1500Hz付近に落ちる (例:145.992/435.611MHz → 92+11=103)
- メインウィンドウ下部の [AUTO IS OFF] をクリック ⇒ ボタンの表示が [AUTO IS ON] に変わって送信を開始。後はMSHV任せ
- 受信専用MSHVで自局ループをモニターし、適切な出力で送信するよう心掛ける。MSHV側の設定(スライダー)を変えると元に戻すのが大変なので、Rig側で出力を調整すると良い
- 1-8-4で設定した出力レベルを超えて送信しない (汚電波で他局に迷惑をかけるかも)


(4) 運用のコツ

- 面倒でも毎パス前にPCの内蔵時計を補正しておく
- 送信周波数は、原則として動かさない
- 受信周波数は、自局ループの±1200Hzはデコードできるようにする (そのため「足して103」となるよう予めDoppler.SQFに記述)
- TX Slotsが2以上の場合、その分だけ帯域を占有するので、受信専用MSHVでのモニターを通じて混信が予想される (または実際に混信している) 場合、自局の送信周波数を調整。SatPC32の場合、CAT Tuning窓・Upl.Calibr.(Hz)で調整する
- TX Slotsを3以上にすると、電力分散によりデコードできない局が多数出てくる可能性があるので、2を上限とするのが良さそう
- 事前に hams.atで運用予定と送信周波数を告知すると良い。この時、MSHVを使用する旨 (※9) をコメントに付記する
※9 WSJT-XのF/Hモードのような送信周波数の縛りがない旨を明示するため


(5) 呼ぶ側で注意すること

- 面倒でも毎パス前にPCの内蔵時計を補正しておく
- MSHVを使うPediton局の±1000Hz以内で呼ぶ
- 他に呼ぶ局とDFが極力重ならないようにする
- dBレポート付きで呼び、QSO時間の短縮に努める。WSJT-Xなら受信時に [Tx 1] ボタンをダブルクリック
- MSHVのMultiAnswering運用では、応答する局の選択はMSHV任せなので、必要以上の高出力運用は、有限である衛星のリソースを無駄遣いするだけでなく、中継器のAGCが動作しダウンリンクの出力低下を招きかねない。また過大入力は、他局の運用を妨害することに繋がりかねない。自局のループを常に受信し、またPedition局が応答する相手局の信号強度も確認しつつ、適切な出力で送信するよう心掛けたい。WSJT-Xなら、全二重通信に対応するimproved版の使用を強く推奨
- Pediton局が出ている間は、原則としてPedition局以外の局とのQSOを控える (でもグリッドNew・イニシャルNewの局がいたら呼んでしまいますよね…hihi)

ー…ー

JQ3JUK氏による詳細な解説記事のおかげで無事設定でき、そして実際に運用できました。この場をお借りして氏に感謝申し上げます。

当方の解説の他に「こうするといいよ!」などのアドバイスがあれば、ぜひコメントにてご教授いただけると幸いです。

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2025年8月14日・和歌山県新宮市(PM73xr/PM83ar)での運用のひとコマ
上段のMSHVは受信専用で単独起動・下段のMSHVは送受兼用でN1MM+から起動(非Rigコントロール)
上段の受信専用で受信した自局ループが、2局同時に応答して以降、2つに分かれ、かつ、信号強度が低下している様子が分かる
軌道計算ソフト・SatPC32でRigコントロールすることで衛星固定(Full Doppler)運用を実施
QSOデータはN1MM+で別モード運用のデータとともに一元管理
posted by きこり@JH最大の難所 at 20:32 | 岐阜 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サテライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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